日本青年会議所の不動産部会へは、時々ネタ集めに1フロアメンバーとして参加させていただいている。

懇親会をアメリカンクラブで設営していただいたが、どうやら大先輩のご挨拶を拝聴すると、平成2年からの不動産大不況は、昨年春頃で終わったということらしい。つまり約16年間である。ある意味生き残った者達で乾杯したわけである。気力ある者だけが残ったという感慨あるご発言だった。心なしかワインはまるで渋くなかった。

ダメージを克服して生き延びた者もいれば、若く無傷で新たに登場しつつあるプレイヤーもいる。2代目を引き連れ見学させる先輩も居る。
もちろん常に勝ち続けた人もいるだろうが。大抵は多かれ少なかれ打撃を受け、何とか支えに支えてきたのである。

 しかしこれも東京の感覚で、地方はまるで違う。地方中核都市の中心商業地は既に上昇しており、名古屋なんかは東京以上の上昇率のようだ。せいぜい県庁所在地までがそろそろ下落が止まると予想していいだろう。沖縄ですら東京資本がリゾートマンション用地を漁りだしているようだが、和歌山でもややあてはまるだろう。しかし、これらはあくまで収益が見込める商業地、あるいはマンション用地のお話である。普通の商業地、普通の住宅地は下落率こそ縮小しつつもじりじり下がっているのだ。

  首都圏でもバス便の住宅地等は厳しいようだし、地方の住宅地はまだまだ下落が続く。ブランド価値のある高級住宅地は別とすれば、人口が減少に転じて人口の都心回帰、コンパクトシティー化の検討と上がる材料はないのである。まして農林漁業の環境はわずかな例外を除けば厳しく、農地、林地はまさにフリーフォールが順当な予測なのだ。

アメリカンクラブはロシア大使館の南隣で、冷戦時のスパイ用立地かと思ったが、この日の講師はフリージャーナリストの藤田正美氏で広範に日本の抱えるリスクについてお話をいただいた。その中で、かのロシアについて、石油高騰のおかげで、対外債務を完済したそうであり、自信を回復したプーチン政権が国家主義的傾向を強めていることに懸念を示されていたが、91年のソ連邦崩壊後の混乱、さらに98年の経済危機を、内部に矛盾も抱えつつも克服したというわけである。

 明けない夜はないとも、出口のないトンネルはないとも言うが、日本の農林漁村の場合、夕張炭坑の坑道へ入って行ってしまったような印象もあるが、復活はあるのだろうか。
  日本の法制はまだまだ債務者の再起、再生に厳しすぎる。不良債権処理を厳格に地方の一次産業に対して実行すれば、地域社会の崩壊から国家の安定に支障をきたす事態になると私には懸念されるのである。

目次へ

HOME